子供の数が多かった時代、保育園における保育方針は、保育士が設定したカリキュラムに沿って子ども達がみんな一緒に活動する「一斉保育」が主流でした。
集団行動によって協調性が身につくとも言われますが、乳幼児期は成長や興味を持つ対象の個人差が大きく、一律でまとめるのは難しいのが実情。
それゆえ、保育園では子どもたちが騒いだり走り回っているのが日常の光景でした。
しかし、いま愛泉保育園の子どもたちは、食事や遊び、どんな場面でもとても落ち着いた様子で過ごしています。
それは、乳児(0~2才)は「担当制」、幼児(3~5才)は「異年齢保育」によって保育士との間に信頼関係が築かれ、子どもたちが安心できる日常が繰り返されているから。
これが、私たちが実践している「ひとりひりが大切にされている保育」です。
大人の都合ではなく、常に子どもが主体。
園全体で子ども達にとって何が最善かを考える毎日です。
私たちは、成長過程に応じたきめ細かい対応と共に、子どもたちの将来の健やかな成長をも見据えて保育をしています。
乳幼児期の大切な期間の大半を過ごす保育園は、社会に出てからも学力以上に求められる“生きるチカラ”の礎を身につける場でありたいと考えています。
「おもう・つくる」とは、二つの「そうぞう」するチカラ、
想像力(Imagination)と創造力(creativity)
「想像力」とは、自分の知識内にある事をもとにして心に思いを描くイメージ力です。
これは、物事にとどまらず、相手の心を思いはかることでもあります。すなわち、共感する=コミュニケーション力にもつながるものです。
一方、「創造力」は、存在しないものを新たにつくり出す力です。創造性は豊かな感性から生み出されますが、一朝一石に身につくものではありません。
感動や驚き、五感に訴えるような様々な経験の積み重ねによって徐々に蓄積されるものです。
さらに、外部からの自尊感情を高めるような働きかけは創造性を促す高い効果があります。
保育園での丁寧な接し方、家庭的な環境が子どもたちの心を自由にし創造性を育むことにつながっているのです。
「かんがえる」とは、自分のアタマで考え自分自身で意思決定をすることです。
考えるという行為は、解決しなければならないことに直面した時に、工夫をしてそれを乗り越えること、物事の本質を汲み取り他人に流されない意思を持つことにつながります。日常の保育において、子どもたちに答えを安易に提供するのではなく、子どもが自分自身で考えるよう促し見守ることが大切です。